サンパウロの中心街から西へ500km、同州内にあるバストスは
90年前に日本人移民団によって開かれた街である。
周りを囲むサトウキビ畑がどこまでも続く丘陵地帯も
入植当時は全て原生林であったのを、移り住んだ人達が
巨木を切り倒して開墾した。ここに世界で最も美しいシルクの
生糸を作るFiacao de Seda BRATAC通称ブラタク社がある。
 
「ブラタク」とは「ブラジル拓殖組合」の略称で、1929年に
日本人海外移住者の入植をサポートするため、移民者を
多く出していたいくつかの県が共同で設立した機関であり、
銀行・鉱山・綿花・製糸などの事業を行っていた。 その……

マチュピチュやナスカの地上絵で知られるペルー。
インカに代表される独自の文化を持った表情豊かな国である。
近年は食の世界でも注目を浴び、南米の食の都と呼ばれ
世界中の食通が訪れている。ペルーはアンデス山脈の山岳地帯、
首都リマなど西側海岸線沿いの乾燥地帯、アンデス山脈東側
中腹から広がるジャングルの熱帯雨林の3種の気候区分があり、
それらが多種多様で豊かなな食材と料理を生み出してきた。
 
食と同じように衣の世界でもペルーは非常に魅力的な国だ。
山岳地帯では繊維の宝石と呼ばれるビキューナとアルパカが
採れる。動物たちの毛がアンデスに住むインディオ達の
生活を支え、長い歴史の中で美しい織物が作られてきた……